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黒のオリジナリティ

1980年代初め
パリコレでセンセーショナルが起こった。
日本人デザイナーのそのショーは
あえて、穴の開いた、いわゆる『ボロルック』と言われ
『東の衝撃』『黒のカラス族』そんな風に総称された。
そして、なにより、
どの雑誌もが書いていた言葉、、、
『アヴァンギャルド』であった。
わざとイレギュラーな裾、
縫い代がわざと見えているジャケット、
キュプラのスカート、
今まででは想像もつかない世界だった。
その世界を作り出したデザイナーは
世界で欠くことのないデザイナーでもある。
私の尊敬する川久保玲さんだ。

ちょうど中学生だった私は
そのとき、義姉がBIGIやMOGA
ヨーガンレールなどのブランドを着ていた為、
その情報は、流れるように耳に入ってきた。
私は、編み物が好きで
その頃には自分で着るセーターは
自分で編んでいた。
ボロルックの記事を目にした私は
春のセーターを編んだ。
真っ黒なコットンで、、、
そして、わざと、肩の部分を接ぎ合わせず、
穴をあけたのだ。
そう、肩が見えているのだ。
それを着て放課後歩いていると、
先輩に目をつけられたものだ。
その頃から、私の中で『コムデギャルソン』は
憧れであった。

高校の被服科では、洋裁の課題の度に
最新の当時の『装苑』から、
ヒントを探した。
ちなみに今も装苑が出ているが
あれは私の中で『装苑』ではない。。。

そこから、コムデギャルソンに近づきたくて
私の黒い生活が始まる。
何もかも黒で埋め尽くした。
高校になり、月3000円のお小遣いをもらっていたが
御存知のように課題大好きな私は
友達とパフェを食べることもなく
貯めていく一方であった。
そして、それを何ヶ月か貯めては
河原町BALの二階に一人足を向けた。

そこには黒く暗く
どこのショップより入りづらさがあった。
冷たいそのコンクリートのショップデザインは
川久保玲さんがデザインされたようで
本人もお気に入りのショップだと
当時のマヌカンさんに聞かされた。
そこへ高校一年生が一人でいくのは
正直、勇気がいた。
プライスカードは全て服の中に隠されていて、
お小遣いを貯めて買うには
限りがあった。
その中でも自分で欲しい物を選ぶ楽しさがあった。
アヴァンギャルドな店内なのに
選ぶ私には花が咲いていた。

それから、お年玉やお小遣いは
ほとんど服に変わった。
それ以外に使うのはレコードでした。
そして、自分で働くようになると
コムデギャルソンを
買うことが仕事をする楽しみであった。

でも、いつしか、
離れて行った。
きっと、その頃から
ミシンをまた踏み始めたからかもしれない。

今でも私の根底にあるコムデギャルソン。
川久保玲さんに憧れ
ヘアスタイルも同じだった。

でも、
マイハズバンドに出会い、
私の色は急速に変わった。
ちなみにマイハズバンドは
ブランド物など着ない。
かといって、大量生産の服などを着たりもしない。
独特のセンスの中で
自分を確立している。
もし、100円均一のTシャツを着たとしても
マイハズバンドのは、違う物に見える。
それは、オリジナリティを持っているからだ。

そして、私は四人の子の母になることが出来、
コムデギャルソンとは全く遠のいた世界を
過ごすことになるが、
その分、私のオリジナリティに
日々、近づいている気がする。

すべて、黒から始まった。
黒を知らなければ、
私の今は無かった。

今日は、あえて画像を載せていません。
それは、あなたにも目を閉じて
真っ暗な世界から
オリジナリティを見つけてほしいから。

twelveseventeenは
喜界島の真っ暗な夜道から
インスパイアされます。
そう、黒のオリジナリティを。。。

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by twelveseventeen | 2009-04-22 19:52